【国語塾開業】塾運営が軌道に乗り始めた2年目の新学期
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国語塾開業から二年目の新学期
開業からおおよそ一年が経ちました。
今年の4月を迎えた時点で塾生は17名でした。
さすがに新学期であったこともあり、この4月にこれに加えて4名が入塾し、5月の連休には21名となりました。
この塾を開業したとき、まずは塾生20名を目標にしていましたので、それは達成したことになります。
これが早いのか遅いのかは私には判断しかねます。
ただし、私の生活を支える事業のひとつになったことは確実でした。
集客の悩みからの解放
この時期、特別に広告を掲載しなくとも、ホームページへの問い合わせはコンスタントに来るようにはなってきました。
一学期中の問い合わせ数は、下記の通りです。
4月 7件
5月 6件
6月 6件
7月 8件
このうち、10名が入塾しました。
たしかに大規模な塾であればこの数字は物足りないでしょうし、経営自体が困難になるかもしれません。
しかし、現状では当塾は私一人での経営であり、教室は自宅であり賃料はゼロ、フランチャイズ本部への支払いもありません。
この数字は、決して悪くはないように思えます。
さて、開業一年は、やはり集客にかける時間、費用、そして精神的な負担が多かったわけですが、この四月ごろからは、集客に関わるこれらが大きく減りました。
実際、そこまで必要がなくなってきた部分もあるのでしょうが、現実としては、授業時間が増えたこと、また、それに対応して予習や自らの学びの時間が増えたことも、その理由です。
本来、塾は教育産業のひとつであり、メインの仕事は集客ではなく、授業であり塾生の学力の向上ですので、これは本来あるべき姿に近づいてきたということでしょうか。
悩んだらすぐに相談できる環境
このパートナーシップの良さの一つは、戸高先生が国語の講師であるということもあります。
指導面で困ったらいつでも相談できます。
いい授業の提供が信頼につながるわけですから、ここも大切にしておきたいところです。
偶々、私は長い間営業の仕事をしていたので、集客自体は嫌な仕事ではなく、むしろやりがいを持って進めていましたが、塾を開業しようとする方々は、必ずしも営業が得意ではないかもしれません。
たしかに、なかなか生徒が集まらない時期は辛いかもしれませんが、軌道に乗り始めれば問題はないと思います。
飛び込み営業をしなければならないわけでありませんし、お客様宅への夜討ち朝駆けなども不要です。
メインはホームページを始めとしたインターネットを用いた営業です。
そもそも塾講師として生徒や保護者と会話をし、意思疎通できる力があれば、集客は大丈夫だと思います。
塾をとりまく環境の現状は厳しい
塾業界にはほとんど知り合いのいない私は、塾開業に関わる情報は、ほとんどインターネットで得ています。
情報は様々ですが、たくさん見ていくうちに共通点があることに気づきました。
開業した後ですから、まず関心は一般的には収入はどうなのかということです。
宣伝を目的としたサイトを除くと、平均するとあまり大した収入ではないこと、また、事業自体が立ち行かない、あるいは生活が困難であるレベルの売り上げの事業所の多さを実感しました。
いろいろなサイトで客観的なデータも多く見ることができます。
これらを起業時にもっと真剣に見ていたら、もしかしたら塾を経営することを断念したかもしれないと思うくらいです。
もう一点、強く感じたことがあります。
塾生が50~100人程度だとすると、ある程度生活ができると思われる収入には満たないケースが多いということです。
これは普通に考えれば、客単価が低いということ、すなわち生徒さん一人ひとりの授業料が安いということでしょう。
また、売り上げに対してて出費が多いということも考えられます。
教室の賃貸料であったり、FCならばロイヤリティであったりすることでしょう。
また、FCやコンサルタントによる広告、記事広告の類もたくさん見ることができます。
一年目から誰でも多くの収入を得られるように感じさせるものが大半です。
ただし、多くの場合、相当高い初期費用が必要であったり、コンサルタント料、ライセンス料なども高かったりということが、広告からもわかります。
ほんとうに誰でもここまでできるのかな?と上述の数値などを見ていると、不安といいますか、不信に思ってしまいます。
個別指導という選択
お客様を100人集めるのと、20人集めるのでは、後者のほうが容易です。
いきなり一年間で塾生を100人にしようと思えば、相当の営業努力が必要になることでしょう。
もちろん宣伝に書ける費用、労力も多くなります。
また、塾生が多くなれば一人で担当するわけにいかず、人を雇う必要も出てきます。
人件費は当然かかりますし、他人と働くということ自体、大きなストレスになり得ます。
塾開業にあたり、こういう選択肢しかなかったとすれば、おそらく塾を始めようとは思わなかったでしょう。
このパートナーシップのような個別指導塾ならば、20人塾生がいる場合、ぜいたくをしなければ生活できるだけの収入になります。
これがどうしても最初は信じられなかったのですが、できるのですね。
個別指導のメリット
まず、客単価を高く設定できますが、これが一番のメリットです。
高いことは承知なのですが、高い授業料に見合った授業をすればいいだけですよね。
そして、需要は、必ずあります。
もちろん、地域差はありますが、現状でも塾のない地域で開業しようと考える人はいないでしょう。
需要のあるところで開業すればいいのです。出費も自宅で開業するなど工夫をすることで相当抑えることができます。
精神的にもたくさん生徒さんがいるなかで、まず20人だ、20人でいいと思えば、モチベーションも上がることでしょう。
実際に必ず需要はあるわけで、それを見つけ出せばいいのです。
そのような気持ちでいるうちに、あっという間に生徒は増えていきました。
まじめに生徒さんに向き合っていれば、口コミで入ってくるお子さんも来るようになります。
実際、当塾には何名かそういうお子さんもいらっしゃいます。
信頼を築くのは大変ですが、失うのもあっという間の危険性があります。
常に真摯な姿勢を持ち続けること、当然これを大切にしています。
国語塾を起業して思うこと
どのような事情であれ会社勤めなどを辞めて起業した人が感じるであろう、勤め人との違いについて、私なりにここで整理しておきます。
多くの人が言っていることですが、会社に勤めているということは、会社の看板で仕事をしているのであり、本人の力だけで働いているのではないということです。
これを忘れてはいけないでしょう。
オーナーでない限り、社長であろうと社員であろうとこれは同じだと思います。
私の場合、長く出版社に勤め、最初の起業、そして今回の塾ともに異業種への参入でした。
そのため、思うようにお客様が集まらないことで、「こんなはずではない。」などという気持ちになることはなかったです。
しかし、塾業界からの転身の場合、大手塾の看板あっての自分だったと気づくこともあるかもしれません。
実は私自身、会社を退いた後、起業準備と並行して就職活動も行った経験があります。
結論は、前職での役職、実績は何の役にも立ちません。
ただし、一つ役に立つことがあります。
それは仕事を通して培った実力です。
これが起業の際は、必ず生きてきます。
また、事業を行うと、会社に勤めている時には見えなかったことが、本当によく見えてきます。
例えば、自分の時給が適正なのか、人はどういうサービスやモノにお金を払うものなのか、そして、経営とはどういうものなのか等々です。
前職では役員をしていましたが、所詮雇われです。
雇われでいる限り、そういうものは、見えないのだということが、よくわかりました。
一度の人生ですので、起業することも悪くないと思います。
確かに失うものは数多くあるのですが、得るものも多いです。
本当の意味での責任は増え、本当の自由もずっと増えたというのが、私の実感です。
いずれ機会があれば、事業とお金に関わる話もしていきますね。