【失敗しない塾開業】個人塾を開業する際の賃貸物件・テナントの探し方を徹底解説!
学習塾を始めようと考えているのであれば、物件探しはかなり重要です。
なぜなら、その物件が塾に適しているかどうかを決めるには、周辺環境や物件条件などに様々なポイントがあるからです。
ということで、今回は個人塾を開業する際の賃貸物件・テナント等の探し方や選び方について紹介していきます。
Contents
塾として使用できる物件の種類
賃貸アパート・マンション
不動産サイトなどで検索すると部屋毎に募集・表示されていますので、物件の数自体は多いです。
ただ、実際に学習塾として使用可能な物件はそこまで多くはありません。
そもそも、アパートやマンションで事業用として借りることができる物件は結構少ないのです。
また、賃貸アパートの一室で開業できれば、家賃や敷金・礼金は相当低く抑えられそうですが、塾に適した条件を満たしている物件はほぼ無いでしょう。
賃貸アパート・マンションのメリット・デメリット
メリット
・初期投資を抑えて小さく始められる
・数人の生徒であれば十分に可能
デメリット
・安定した収入を得るのは難しい
・生徒数が増えると移転を考えないといけない
貸店舗・テナント・事務所
アパートやマンションと違い、事業用の物件なので、確実に学習塾として利用することができます。
事業用の物件を見るときには「居抜き物件」か「スケルトン物件」かということには注視しましょう。
居抜き物件とは、前に使用していたお店の内装や設備、什器などがそのまま残っている物件のことです。
状態によってはリフォームや一部の設備を購入しないで済むので、その分だけ初期費用を抑えられます。
一方のスケルトン物件とは、室内に何も無いばかりか床やクロスまで剥がされている状態で、コンクリートが剥き出しになっている物件のことです。
そのため、そのまま塾として使用するのは不可能です。
初期費用を抑えたい、なるべく手間をかけたくないという方は居抜き物件がおすすめです。
自分で内装や設備を0から自由にデザインしたいという方はスケルトン物件がおすすめです。
ただし、スケルトン物件の場合は自分が退居する際も同様の状態にしなければならない「原状回復義務」があるので注意が必要です。
元の状態に戻すスケルトン工事は、部屋の広さにもよりますが大体20万円前後の工事費用がかかりますので、現状復帰の費用も頭に入れておいてくださいね。
店舗兼住宅・自宅の一室
塾用の物件と住居用の物件を別々に借りると、合計の家賃は高額になりがちです。
そのため、一戸建て物件を借りて教室スペースと居住スペースを分けてしまえば、一つの物件で済むので結構な額の家賃を抑えられるでしょう。
ただ、プライベートな場所と教室との区別をしっかりつけることには注意しないといけません。
公私混同しないようにという意味合いもありますが、それ以上に確定申告の時に困ってしまうのです。
店舗と住居が同一の建物の場合は事業用スペースの家賃は必要経費になりますが、居住スペースの家賃は生活費なので必要経費になりません。
そのため、事業用スペースと居住スペースの割合が曖昧だと、必要経費となる金額と生活費となる金額との割合を決めることが正確にできなくなってしまうのです。
収入から必要経費や各種控除を引いた課税所得に対して所得税・住民税などがかかるので、正確な割合がわからないと税金の面で損をしてしまうかもしれません。
店舗兼住宅や自宅の一室を利用する際にはご注意くださいね。
物件選びで注意すべきポイント
上記から物件の種類を選んだからといって解決する問題ではありません。
個人塾をする場合には、塾の立地も重要な要素となります。
それでは、塾の立地を考える上で重要なポイントをお伝えしていきます。
近隣学校からの距離
自塾の指導対象学年に応じた小学校・中学校・高校が近くにあるかということが重要な要素となります。
学校から歩いて通塾することを想定するのであれば、徒歩15分くらいの距離が適当です。
ちなみに、不動産業界では「徒歩1分=80m」と定められているので「徒歩15分=1.2km」
ということで、塾から半径1.2kmの範囲にターゲットとなる学校があるかどうかを考えなければなりません。
ただ、自転車で通塾する生徒や、保護者の方が車で送迎してくれるケースも多々ありますので、あくまで一つの目安として考えてくださいね。
学校の近くというのは、生徒の来校に便利というだけではなく、親からの安心感も得られます。
学校の周辺はパチンコ店や風俗店など子供が近寄っては欲しくない業種の出店が法律で規制されていて安全なエリアが多いからです。
また、子どもが通う学校周辺の地理状況は、ほとんどの親が熟知していますので、安心感を抱かれる保護者の方が多いようですね。
付近の駐車スペースがあるかどうか
特に小学生は、保護者による送迎で通塾する生徒が多いため、塾の付近に駐車スペースが無いとかなり不便になってしまいます。
送迎に寄った車が塾の前に停車することで交通渋滞が起こるパターンが多く、近隣住民からクレームがきたり、警察から注意されることもあります。
中学生だと自転車で通塾する生徒も多いので、できれば生徒用の駐輪スペースも欲しいところです。
塾の前に自転車がたくさん綺麗に並んでいると、それが一種の塾の看板になります。
良識ある生徒が多くいる塾という雰囲気を出すことで、新規の生徒集客につながるのです。
しかし、自転車を置くスペースがあることだけを確認して物件を契約しても、いざ実際に開校したところ、近所から生徒の駐輪自転車について苦情がきてしまい、自転車が置けなくなってしまうケースもありますので注意が必要です。
こういう事のないように、実際に置いても良いかどうかを契約前に大家さんに確認することが大切ですが、もし、2台以上の駐車スペースがあるのであれば、1台分を駐輪スペースに充てる等で対応するのが無難でしょう。
通学路・大通りに面しているか
塾の認知を高め、生徒・保護者を集客しやすい物件を選ぶことも重要なポイントです。
物件が、近隣の道路からはっきり見えるか否かということを「視認性」といいます。
視認性が高い物件を選ぶことが、通りがかりの生徒・保護者の認知を高め、集客をする点でもかなり重要となります。
そのためにも、できれば通学路・大通りに面している物件で、さらに2階以上の空中階よりも1階の方が望ましいです。
家賃の条件が合わないなどの理由で、2階以上の物件を選ぶ場合は、外から見たときに物件がはっきり見えるかどうかというのは非常に大切です。
目立つ場所なのかどうか
通学路・大通りに面しているかという項目に近い部分はありますが、学習塾の開校場所としては「目立つ場所」で行うことが重要なポイントです。
その点は、飲食店などと同様で、いくら指導内容がよく腕のよい講師が在籍していても、場所が目立たないようでは地域から認知されないのです。
もちろん、チラシやウェブページ、MEO対策<SEO対策などのマーケティング手法を用いることもできますが、一番効果的に学習塾の存在を認知してもらう方法は、人通りの多い立地に店舗を構えることになります。
学習塾の競合にあたるような大手のフランチャイズ企業では、テレビCMや電車のつり革広告など、多額の費用を使い、さまざまな広告を打っています。
こういった大手企業の戦略と個人経営の学習塾が真っ向から戦っても、勝ち目はないのです。
そのため、まずは生徒や親の目につきやすく、通ってもらいやすい立地に店舗をつくり、実際に通ってくれた生徒の口コミで顧客を獲得していく方法がおすすめです。
思い切って幹線道路沿いや駅前などの人通りの多い場所に店舗を出すことが、後々の集客を考える上で重要な要素となることはしっかりと頭に入れておきましょう。
目立たない場所でも目立つようする方法
学習塾の競合にあたるような大手のフランチャイズ学習塾では、必ず鮮やかな色彩を用いたインパクトのあるデザインの看板を使用しています。
フランチャイズ学習塾の設置している看板を参考にして目立つ看板を作成し、人目に触れやすい場所に設置しましょう。
そのために、直接大家さんに確認して、看板設置の承諾を得る必要があります。
店舗の物件を探す場合は、譲れない条件となりますので必ず確認してくださいね。
以下の3つのポイントも併せて大家さんに確認しておきましょう。
・塾の前にのぼりや立て看板が設置できる
・窓に展示物が貼れる
・窓が大きく塾内の様子を見ることができる
また、一定規模以上の面積や高さで、地上や屋上、道路上に設置する看板には許可が必要です。
さらに、地域によっては景観法や条例、色相等の規制などで看板の設置ができない場合もあるので注意が必要です。
実際に、京都市では景観条例によって、赤や黄色などの特定色を看板などへ使用することを禁止しています。
事前に、店舗を借りる候補地の自治体などにも必ず確認を取り、借りてからの後悔がないようにしましょう。
看板やその他の集客に関してはこちらの記事に詳細をまとめていますのでぜひご参考になさってください。
【失敗しない塾開業】学習塾の集客方法とは?効果的な集客のコツを徹底解説!
塾を開業する際の物件のまとめ
以上で、個人塾を開業する際の賃貸物件・テナント等の探し方や選び方について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
少子化により、一人の子にかける教育費は増加傾向にあります。
それに伴い、学習塾の参画者も増加し、今後、激戦が予想される業種の一つですので貸店舗選びの段階でライバルに差をつけたいですよね。
塾の場所やどんな形で開業するかについては後手に回ってあたふたすることなく、今回の手順を参考にしていただき、理想的な塾を創りあげましょう。